12A猫で学んだこと-Memoir-

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るる鯖さん....ありがとうございました! 4Aで学んだこと-Memoir-....

るる鯖さん閉鎖されるのですね....長い間ありがとうございました!
オンライン人狼「るる鯖」が5月に閉鎖へ
るる鯖さんがなければ、自分の人生でブログも人狼もやることはなかったですね。

せっかくなので、昔取った杵柄、純粋なパズルとしての勝率解析をやってみますか。
ruru-jinro.net
案山子として参加させていただいた4A村。

4Aは、2日目朝の地点で、狼1村人1占い1か、狼1村人2の配役になるゲームです。
このエントリでは、このゲームについての村勝率を(均衡解の意味で)求めます。
「同じ条件ならすべてのPLは等しい確率で吊られる」というシンプルな仮定を置くと、
このゲームの村陣営の勝率は以下のパラメータで与えられます

  • 2日目朝の地点で、配役が狼1村人1占い1となる確率 $P$ (既知の公開情報とする)
  • 村陣営が、1COの占いCO者を吊る確率 $X$
  • 狼が占いを騙る確率$Y$

ルールとして、以下の条件をつけます。 * 占い師は必ずCOし、視点の狼を確定させる * 村騙りはなし

2日目朝の状況について下記のいずれかが発生する確率が$(P, Y)$ 組み合わせで決まります。

  • w.p $ P \times Y $: 占い生存、狼が占いを騙る場合
    • 村勝率: $\frac{1}{2}$ (狼の騙り失敗) + $\frac{1}{2} \times \frac{1}{2}$ (狼騙り成功) = 3 / 4
  • w.p $P \times (1-Y)$: 占い生存、狼は占いを騙らない場合
    • 村勝率: $(1 - X)$
  • w.p $(1 - P) Y$: 占い非生存、狼は占いを騙る場合
    • 村勝率: $X$
  • w.p $(1 - P) (1- Y)$: 占い非生存、狼は占いを騙らない場合
    • 村勝率 $\frac{1}{3}$

そのため、村人の勝率を$V$と置くと
$$ V(X, Y) = \frac{3}{4}PY + P (1 - Y) (1 - X) + (1 - P) Y X + \frac{1}{3}(1 - P) (1 - Y) $$ となります。

この式をまとめると下記となります。

$$ V = \frac{1+2P}{3} - PX + XY - \frac{1}{4}PY - \frac{1-P}{3}Y $$

X, Yでそれぞれ偏微分をすると.... $$ \frac{\partial V}{\partial X} = -P + Y $$

$$ \frac{\partial V}{\partial Y} = X - \frac{1}{4}P - \frac{1-P}{3} $$

なので、

  • 狼視点が均衡解の戦略をとる場合、確率$P$で占いCOをする  
  • 村視点が均衡解の戦略をとる場合、確率 $\frac{1}{3} - \frac{1}{12}P$ で占いCO者を吊る

となります。この時の村陣営の勝率は$\frac{1}{12} ((P+2)^{2})$です。

自明な場合である $P=0$, $P=1$ の結果と照らし合わせて、計算間違いはなさそうです。 これが、4Aの場合、理性的なPL達が永久にゲームを積み重ねていったら、上記の村勝率に収束していくことが予想されます。

補足

狼側の戦略決定は「占いの生存確率」と同じ確率で"騙れ" となります。
その時に村側の戦略によらず、勝率一定値になるのは、直観的に分かりやすいです。

一方、村側の戦略決定を感覚的に納得がすることが難しいです。 直観的には$P=0$ (真占い非生存)であれば、常に$X=1$ がよさそうな気がします。
そのため、 自分で納得するための思考過程を書いてみました。

  1. 村側陣営が$X$の値を決めてから
  2. 狼側陣営が$Y$の値を決める

とします

すると、$X \neq \frac{1}{3} - \frac{1}{12}P$ の場合、$\frac{\partial V}{\partial Y}$ の正負によって、 狼側は村人勝率を最小化するため、$Y=0$か$Y=1$を選択してきます。 それは $\frac{ (2+ P)^{2} }{12}$ と同じか小さくなってしまいます。

$P=0$の場合を考えます。 $P=0$ の時は下記が村勝率となります。

$$ YX + \frac{1}{3}(1 - Y) $$

$X=1$にすると、狼視点は$Y=0$を選び、村勝率は$\frac{1}{3}$. $X=\frac{1}{3}$ とすると、狼視点は $Y$の値にかかわらず、村勝率 $\frac{1}{3}$.

...このようになり、どちらの場合でも、村勝率は合致します...相手が後から戦略を選べる場合は、 "正しい" 推測をしないことが安定的な戦略になるのが、やっぱり気持ち悪いですね... (簡単のために$P=0$で上のことを調べてみたけれど、$P$が微小の正の数でも、 $X$は1に近くならないのが、安定戦略となることを意味しているから...)

補足2

  • 「占い師がCOしなくても構わない」
  • 「村人陣営の村騙りを許容する」

などの要素を入れると、また違った観点がたくさんでてきます。 特に、$P$が小さい時に「占い師がCOしない選択もできる」 などとすると、勝率は変わりますね。
....難しい。 

実際の村との関係

上記で4Aの解析の話は終わりです。 ブログにて、戦略の解析を行う中で、実際の村に活用できる知見として

  • 一方の陣営の戦略が均衡解からずれている時、対抗陣営の最適解は純粋戦略である

ことが多い、というものがありました。

戦略を確率で決める前提で、 勝率が戦略に対して線形性をもっているとき、偏微分の値は定数になります。 そのため、最適戦略は確率0か1になります。

上の要素に関連していると推測しているのですが、 (状況が確定している時のセオリーとして、) 陣営視点 "正しい"戦略がある / "間違っている"戦略があるという認識がされがちです。

しかし、それは対抗陣営の戦略が均衡解になっていないことが原因です。 対抗陣営の戦略が均衡解となれば、どんな戦略をとっても有利不利は変わりませんし、 逆に対抗陣営の戦略が均衡解から、反対方向にずれれば今まで最適戦略だったものは、 最悪の戦略に変わることも多いです。

実際の村は複雑すぎて、自分には解析ができないですが、この定性的な性質は間違っていないと確信しています。 (実際の村で勝率を高める目的には役に立たない性質の理解ですけどね!)

上の知見に基づいて、るる鯖で遊ばせていただく時、 「戦略が前提としている仮定は何だろう?」 ということを考えさせていただいた気がします。


「自分と相手の前提は違う」というのがコミュニケーションを難しいものにして、 時にイライラして、時に自分の枠の超えたものを学び、時に生きることをすごく面白くしてくれるのかもしれません...
願わくば、微笑みを浮かべながら、前提の違いを楽しめる時間が長いことを。

来週が素敵な7日になりますように!