12A猫で学んだこと-Memoir-

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情報吊りに関するupdate. 12A猫では狼の初手囲い確率28/31, 4/13が村視点『良い戦略』の分岐点.

今回のエントリは,

情報釣りは確率論の観点から最善なのか? -> 「常に唯一の最適進行」という主張は誤り - 12A猫で学んだこと-Memoir-

の内容を, Twitter での人狼♦︎6S-mLzffKeさんとの議論を下に, 改良した内容となります. ミスもあるかもしれませんが, ご容赦ください...しかし, 主張の大筋にミスはないと思っております. 

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○事後条件確率から、情報釣りを考える.

るる鯖11Aや12猫で【情報釣り】と言われる戦術があります. 3人の占い候補者がいた時, 占い師候補A:B ○
占い師候補B:D ○
占い師候補C:E ○ だった場合,
占い師候補Cを釣ろうという戦術です.

本戦術の戦術のメリットととして, よく聞いたのは,
* 霊能結果で占い師候補者Cから○が出た場合, Aの破綻をみることが出来る.
というものでした. また, 他の占い師候補から○が出ているのは, 真狂の可能性が高いというのも メリットでしょう.

 
このエントリの主な目的は, 数学的にシンプルな過程に従って, 上記のような状況の時に, 占い師候補Cが実際に狼である確率を導出することです.

 

[○進行・12A猫における結果の概略]

狼を吊るという評価指標をおいた場合, ○進行の時, 狼が初手囲いをする確率を28/31よりも小さいとみるのであれば, C吊りが良いと言える(情報吊りが良い)
偽の占いを吊るという評価指標をおいた場合, ○進行の時, 狼が初手囲いをする確率を4/13よりも小さいとみるのであれば, C吊りが良いと言える(情報吊りが良い)

以下, 詳細です. 

[数学的な仮定]
* ○進行で, 同時に3人の占い師候補がCOしたとする(潜伏占いCO等は考えない.)
* 占い候補が真狂狼のみを考える. AがBに○結果を出し, BとCはグレーに○を出しているとする.
* 狼狂占がA,B,Cにそれぞれ当てはまる確率は全て等しい. (結果を出す前の確率(事前確率)は, 全て等しい.(A,B,C)がそれぞれ真狼狂になる確率は1/6ずつ).

[記号の説明]
* 真占い師が狂人に○を出す確率をaとする.
* 狂人が真占い師に○を出す確率をb, 狼の占い師候補に○を出す確率をcとする.
* 狼が真占い師に○を出す確率をd, 狂の占い師候補に○を出す確率をeとする.
* 真占い師が, 占い騙り以外に○を出す確率をXとする.
* 狂人の占い騙りが, 占い騙り以外に○を出す確率をYとする. 狼の占い騙りが占い騙り以外に○を出す確率をZとする.

以下のCase1 〜 Case6が発生する確率を計算し, その事後条件確率を求めればよい. 

* Case1: A:真, B:狂, C:狼の場合. この場合の事前確率は1/6. そして, [状況]のようなことが起こる可能性は 1/6 * a * Y * Z
* Case2: A:真, B: 狼, C:狂の場合. 該当状況に当てはまらない. =>確率 0.
* Case3: A:狂, B:真, C:狼の場合. この場合の事前確率は1/6. そして, [状況]のようなことが起こる可能性は 1/6 * b * X * Z
Case1, Case3と同様に計算して,
* Case4: A:狂, B:狼, C:真の場合: => 1/6 * c * X * Z
* Case5: A:狼, B:真, C:狂の場合. => 1/6 * d * X * Y
* Case6: A:狼, B:狂, C:真の場合. => 1/6 * e * X * Y

真占い師に関わる変数, a,Xはルールが決まれば, 一意にきまる
. (例:<12A猫>a=1/10, X=6/10, <11A> a=1/9, X=6/9) b, c, d, e, Y, Zは, 狼と狂人の戦略によって決定される.

 

[狼/狂人の戦略の決定] 狂人は以下のようにして, ○/●を出し先を決める.
○を出す戦略をとる確率をS_m, ●を出す戦略をとる確率を 1-S_mとする.
自分以外をランダムに1人選択して○/●を出す.
狼の占い騙りは以下のようにして, ○/●の出し先を決める.
○を出す戦略をとる確率をS_w, ●を出す戦略をとる確率を 1 - S_wとする.
○を出す戦略をとる前提で, 仲間の狼以外に○を出す確率をM_s, 狼に○を出す確率を 1 - M_sとする.
●を出す戦略をとる前提で, 仲間の狼以外に●を出す確率をM_k, 狼に●を出す確率を 1 - M_kとする.


以上のようにパラメータを設定した時,
[S_m, S_w, M_k]の値は, 事後条件確率に影響を及ぼさないと分かる.
(理由:)
* M_k は●進行に関わるパラメータなので○進行のときの事後条件確率には関係しない.
* b, c, YはそれぞれS_mに比例する. d, e, ZはそれぞれS_wに比例する.
したがって, S_m, S_wの変化は, Case1 ~ Case6の確率を定数倍変化させることになるだけなので, 事後条件確率には影響を及ぼさない.

 

S_m, S_w を0でないものとして, 12A猫の場合のCase1 ~ Case6の事後条件確率を求めると以下のようになる.
a = 1/10, X=6/10,
b=S_m/10, c=S_m/10, Y=S_m 8/10,
d= S_w M_s/8, e=S_w M_s/8, Z= S_w M_s 6/8 + S_w (1 - M_s)
に気をつけて計算すると...

 

Case1: 4(1-1/4 M_s)/(10 + 7/2 M_s)
Case2: 0
Case3: 3(1-1/4 M_s)/(10 + 7/2 M_s)
Case4: 3(1-1/4 M_s)/(10 + 7/2 M_s)
Case5: 3 M_s / (10 + 7/2 M_s)
Case6: 3 M_s / (10 + 7/2 M_s) と事後確率を求めることができる.

 

* (A, B, C)がそれぞれ狼である確率を計算すると
Aが狼の事後確率: 6 M_s / (10 + 7/2 M_s)
Bが狼の事後確率: (3 - 6/8 M_s) / (10 + 7/2 M_s)
Cが狼の事後確率: (7- 14/8 M_s)/(10 + 7/2 M_s)

M_s > 28 / 31 であれば, A > Cとなる.
M_s < 28 / 31 であれば, A < Cとなる.
* (A, B, C)がそれぞれ真である確率を計算すると
Aが真である事後確率: 4(1-1/4 M_s)/(10 + 7/2 M_s)
Bが真である事後確率: (3 + 9/4 M_s)/(10 + 7/2 M_s)
Cが真である事後確率: (3 + 9/4 M_s)/(10 + 7/2 M_s)

4/13 > M_s であれば, A > Cとなる.
4/13 < M_s であれば, A < Cとなる.

 

以上より, 以下の結論が導出できる. 
「12A猫○『情報吊り』展開の時に, 狼目を吊る為に AとCのどちらを吊るべきか?」という問いに対して,
* 狼目の占いを初日に吊るという評価指標を設定した場合
狼の戦略として, 仲間の狼以外に○を出す確率が 28/31よりも小さいのであれば, Cを吊るのが良いと言える. (情報吊りが良い)
仲間に○を出す確率が, 28/31よりも大きいのであれば, Aを吊るのが良いと言える. (占い候補者に○を出した人間を吊るのが良い)
*偽目の占いを初日に吊るという評価指標を設定した場合
狼の戦略として, 仲間の狼以外に○を出す確率が 4/13よりも小さいのであれば, Cを吊るのが良いと言える. (情報吊りが良い)
仲間に○を出す確率が, 4/13よりも大きいのであれば, Aを吊るのが良いと言える.
(占い候補者に○を出した人間を吊るのが良い)

以上が単純な数学的な考察に基づく『村視点の良い進行』の結果と導出できる.