12A猫で学んだこと-Memoir-

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3-1○展開のグレーランダムと占い師吊りの均衡点について

はじめに

12A猫の進行をみさせていただいて、初日3-1進行の時、
占い師吊りかグレーランダムで意見が別れるということを見せていただきました。
個人的には、どっちの進行でもいいと思います。
占い師に頼る進行もあれば、狩人や猫に頼る進行もあるでしょう。

単純にロジックのパズルとして考えた時、どちらの進行がいいのでしょうか?
このエントリではそれを考えてみたいと思います。

サマリー

(詳細な様々な仮定は必要ですが)
初日3-1○展開で霊能以外の3人に○が出ている際、
狼の初手囲い確率20%が、
狼を吊るという目的に照らし合わせた時の
占い師吊りとグレーランダムのどちらがいいかの分岐点です。

解析の詳細

最初に言わなければならないことは、
「村/狼陣営の勝率」という形で厳密に解析しようとすると、この問題は極めて難しくなります。
グレランで猫/狼/狩人が吊れた場合の村勝率を計算しなければならないからです。
4人最終日/3人最終日から逆算して、算出していくことが出来れば理論的にはできるはずですが、
非常に重い。だから、それは止めましょう。

評価規範を

  • 初日に狼を連れる確率が高い方が良い

という1点に絞って議論をします。
さらに、簡単のため、以下のような前提をおきます。

解析の前提

  • 3-1 (占い師CO3-霊能CO1) 霊能者は真、占い師は真狂狼とする。
  • 占い師候補は霊能者以外のそれぞれ別の場所に○結果を出している。
  • 狩人/猫又COを考慮しない。
  • 狼の占い騙りが仲間に○を出す戦術を取る確率をm, ○を出さない戦術を取る確率を(1-m)とする。
  • 組織票を考慮しない為に、グレランの時も占い師候補つりの時もダイスで吊り先決定する。

さて、mの値によって、初日、占い師候補吊りがいいのか、グレーランダムがいいのか異なります。
占い師吊りとグレーランダム吊りで狼が吊れる確率が一致するmの値を求めてみたいと思います。

「厳密には間違えている」大雑把な解析

さて、まずは軽くどの程度の値になるかをざっくりと算出しましょう。

  • 狂人の○は、適当に出されているだけなので無視してよい
  • 残りの真占いと狼の2○のうち、狼の期待値はm

つまり、ざっくりと、11 - 3 - 1 - (3 - 1) = 5 の中に、2-m匹の狼が潜んでいると考えていいでしょう。
「適当にダイスを振って、ダイスの通りに投票する」という乱択戦略を採用することで
吊ることのできる狼の期待値は (2-m) / 5.
m = 0 (狼が初手囲いをしない場合) であれば、40%で狼が吊れることになりますし、
m = 1 (狼が必ず初手囲いをする場合)であれば、20%で狼が吊れることになります。

占い師候補吊りの時に狼が吊れる確率は 1 / 3 なので、
m = 1 / 3 の時に、2つの確率は一致する。

つまり、

  • 狼が初手囲いを行う確率が大体1/3よりも大きいと思うのであれば、占い師吊りをするのが良い。
  • 狼が初手囲いを行う確率が大体1/3よりも小さいと思うのであれば、グレーランダムをするのが良い。

というのが大雑把な解析から言えることです。

この計算は間違っていますが、検討はずれの値にはならないでしょう。
近似的に感じをつかむには悪くない考え方だと思っています。

厳密な解析

上記の解析が誤りである理由は狼騙りが

  • 初手囲いを選んだ場合
  • 初手囲いを選ばなかった場合

2つの場合について

  • 3-1 で別々の場所に○がでる。

確率が異なるからです。
なので、厳密に確率を調べるにはそれを考慮して事後確率分布を計算する必要があります。
ちょっとだけ大変です。

  • 真占い師が○引きという前提 ・ 狂人が○を出すという前提で考えてよい。
  • 村人に○が出される時、狂人/狼が真占いとは別の場所に○を出す時の確率を考える。

上記の方針で計算していきます。

計算…

真占い師の○先以外に、狼/狂人が別々の場所に○を出す場合で以下の事象が起こる確率を計算していく。

  • 狼が初手囲いをしない場合: 8人のうちからランダムに1人
  • 狼が初手囲いをする場合: 2人のうちからランダムに1人
  • 狂人が○を出す先: 10人のうちからランダムに1人

に結果を出すこと、そして

  • 占いの○先が重複しない場合

のみを扱うので…

  • 狂人の○が村に、狼の○が狼にでる確率 (グレラン対象1W): 4 / 10 * m
  • 狂人の○が村に、狼の○が村にでる確率 (グレラン対象2W): 4 / 10 * (1 - m) * 3 / 8
  • 狂人の○が狼に、狼の○が村にでる確率 (グレラン対象1W): 2 / 10 * (1 - m) * 4 / 8
  • 狂人の○が狼に、狼の○が狼にでる確率 (グレラン対象0W): 2/10 * 1 / 2 * m

以上の確率となります。

  • グレラン対象0Wになる確率: 2m / (5+5m)
  • グレラン対象1Wになる確率: (2+6m)/(5+5m)
  • グレラン対象2Wになる確率: (3-3m)/(5+5m)

となります。
したがって、

狼がグレランで吊れる確率は

  • 1 / 4 * (2+6m)/(5+5m) + 2 / 4 * (3-3m) / (5+5m) = 2 / (5+5m)

となります。

  • m = 0の時の結果
  • m = 1の時の結果

は前述のざっくり計算と同じ結果になりますね。 したがって、

「狼が初手囲いの戦略を取る可能性が1/5よりも大きい時に、占い師3択吊りを行った方が狼が吊れる可能性が高く、 狼が初手囲いの戦略を取る可能性が1/5よりも小さい時に、グレランを行った方が狼を連れる可能性が高い。」

という結論になります。

ざっくり計算とは10%ほど結果が異なりましたね。

終わりに

  • 狂人は必ず○結果の占いCOをする。
  • 狼2騙りは考えない
  • グレーや○もらいの猫又/狩人COを考慮しない。

など、多くの仮定を必要としますが、上記が単純化した状況におけるロジックからの結論です。

1人の人狼の観戦者として主張したいことは

  • 「狼の戦略によって、村視点の良い進行が異なる」

ということですね。 様々な戦術論があると思うのですが、 「勝利を追求する」という姿勢からみれば、それは「じゃんけんでグー/チョキ/パーのどれを出すのがいいかを議論している」のと同じです。
人狼ゲームは複雑なルールのじゃんけんでしょうね。
人狼ゲームが強い方は、対戦相手の癖…対戦相手の出すじゃんけんの手を意識的/無意識的にうまく活用しています。
ただ、人狼ゲームがじゃんけんとは違うのは、ゲーム中のストーリーの面白さだと思いますね。

人狼が強い参加者の方は、じゃんけんが強い方です。
人狼のゲームを舞台に人を楽しませられる参加者やGMさんは、エンターテイナーです。

人狼はゲームだから、楽しむことが第一でいいんじゃないかなぁ。と思うのです。
「弱い」と言われても仕方はないけど、「面白くない」というのは悲しいですよね。

つぶやき

自分は人狼ゲームでの勝利や、GM業にあんまり適性がないなぁ…と思っています。
それでも、刺激を得られるから、参加させていただいているのかなぁ…
あと、村での振る舞いや発言が面白かったといっていただけると嬉しいですねー