12A猫で学んだこと-Memoir-

...What are you learning now?

Cross book review--(絶望の本)

<Summary>

I introduce "The Truth About Alice" as one of good books I have read recently.
There are two comments I want to write down about this book.
Firstly, this book describes such a pitiful nature of human that he imposes the responsibility and burden of unfortunate events on other people who are typically inferior to him in social status. He cannot help but want to feel relieved, escapting from suffers of bad events. 
Secondly,  when ones are in trouble, typically only those who have positive features can be saved from other people. You have to cultivate yourself to let other people admit and appreciate your value.
 

Amazon.com: The Truth About Alice: A Novel (9781596439092): Jennifer Mathieu: Books

(このエントリには, 少しばかりネタバレが入ります.)

 

 

素晴らしい小説です. 読むと絶望します. 全く楽しくありません. 高校生の間でおきた出来事を使って, 現実世界の悲しい側面を切り取っています.

登場人物は皆, 様々な負の感情を内に秘めておりました. その負の感情が行動に現れたとき, 悲劇が発生します. そして, その悲劇の原因を(他の)人間は求めなくてはいけなくなって, 社会的弱者に悲劇の原因が全て押し付けられることになりました. そのスケープゴートになったのが, Aliceでした. この話は, Aliceとその周りの人達のお話です.

 

「運転者本人の飲酒事故にも関わらず, その事故の責任をAliceに押し付ける.」

「自分が友人の死亡の原因だと思いたくないから, Aliceにその責任を押し付ける.」

「焦りと不安から, 性交渉を持ってしまう女子高校生が, Aliceにその責任を転嫁する.」

...まぁ酷いですね. ただ, 『自分は美しいままでいたい. 悪いことは誰か他の奴の責任だ』 という考え方を少しも持たない人間はいないでしょうね. このような自分で責任を負うことを避ける人間の悲しい性を描いているのがこの作品だと思いました.

 

 

また, もう一点. 物語の最後でAliceはKurtと良いFriendshipを構築できる訳ですが, これも結構厳しい現実を映し出しているように思えましたね. Aliceは非常に美しい少女だった. そして, Kurtは頭脳の面で才能があった.
「Aliceが美しい少女でなかったら, KurtはAliceに近づいたでしょうか? 」
「Kurtに才能がなかったら, Kurtは高校の中で一目置かれていたでしょうか?」
AliceとKurtがすれ違いがありながらも, 関係を構築ことができるようになったのには, 2人の持つ特長が関係していると思いました. 自分の生きる現実世界に目を向けて,自分達が美しくなかったり, 才能がなかったりしたら, 周りの人間から迫害されたとき, 誰からも手を差し伸べられないのでしょうか? 誰からも認められず, 受けいれられないのでしょうか? ...きっとその答えは, Yesなのでしょうね. だから何でもいい. 自分の長所を作っておくことは大切. 才能がなくても, 美人でなくても...足掻くしかないんだろうなぁ...と思って, 『生きるって厳しいなぁ...』と思いながら本を閉じたエンディングでした.