12A猫で学んだこと-Memoir-

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心理学から見る人狼

経済学において, 経済活動に参加するプレイヤーはみんな「論理的である」 という前提での経済活動の考察が主流でした. 2000年代ぐらいから盛んに取り上げられるようになった「行動経済学」というのがありまして, 「経済活動をする人間は, 論理的な存在じゃないからそれに基づいて考察しよう」 という学問です. 経済学を心理学を使って考察しようという試みですね! 「人間が利益を目指して行動を決める理由」を知るために, 面白い学問だと思っています.

 

基本的に, 私のブログでは人狼考察は大体, 人狼の人間らしい要素は排除した考察を行っています. 発言/挙動は一切考えていません. しかし, このエントリでは, 心理学の知見を使って, 人狼で発生している事象3点ほどに対して考察します.

 

元ネタの書籍はこれです.

Amazon.co.jp: Thinking, Fast and Slow 電子書籍: Daniel Kahneman: Kindleストア

Amazon.co.jp: ファスト&スロー (上) 電子書籍: ダニエル カーネマン, 村井 章子: Kindleストア

 

この本は自分にとって印象深いです. 

 

○「真占いはミスをしない。

○「発言がしっかりしている方が真の役職である」

○「視点把握ができない役職候補は偽である」

 

 

これは典型的なHeuristicsの例ですね.

Heuristicsとは, 「難解な問題を簡単な問題に置き換えてしまう」ということです.

「真占いが誰か?」という問題は考えるのが非常に難しい問題です.

それに対して,

「どの発言が論理的に正当性が高いか?」

「どの占い師が視点把握が早いか?」

「どの占い師の考察文が優れているか?」 という問題は本来の問題と比べて答えるのが簡単です. だから, 元々の問題を置き換えて考えてしまうのですね. 

 

占い師-占い騙りで吊られた人の意見として、

「あんな発言の対抗に負けるとは思わなかった」というコメントを見ます。

このような発言が、「真占いを決定する」という問題決定を「占い師(騙り)として発言が優れている方を選ぶ」 という問題決定に置き換えて考えている証拠です。

 

また、「・・・の占い師を信頼したい/信頼できる」というような発言を村でみます。 これも、「どの占い師が真かという」問題を「どの占い師候補が信用できそうか(好ましいか)」という問題に置き換えている証拠ですね.

 

この種の問題の置き換えは「勝利を目指しているプレイヤー」としては, 行うべき考え方ではないと思いますよ.  難しいですが, 本来の「真占いが誰か?」ということを真剣に考えるべきだと思います. 出来る限りその本来の問題を解答する形で推理ができた方がいいでしょうね。. 例えば、ミスをした占いを人外視するなら、次のような論理でしょうか.

「ミスをしたのは, 時間のなく、考慮統べき事柄の多い人外の可能性が高い.だから偽と決め打つ.」

「考察文が薄いのは、夜に相談して時間がなかった狼の可能性が高い.だから考察文で決める.」

 

逆に, 役職者候補としては人間のこの種のHeuristicsを利用するというのは 大切なのでしょうね. こういう人間の不合理的な部分を積極的に利用して勝ちを目指すのがゲームなのかな・・・と思います.

 

自分の哲学は, 「決め打ちは相性/運」です.

決め打ちで失敗するか成功するかは 大体の場合, 運次第だと思っています.

だから失敗した人が悪いということもなければ,

 成功した人が凄かったということはありません.

試合の結果は, 吊られた人と吊られなかった人の能力によって決まるものではありません. ただ単純に運が悪かった. 判断役との相性が悪かった・・・それだけなんじゃないかなーと思っています.

 

○「戦績(村の経験数)が多い人は修羅である.」

○「戦績(村の経験数)を積んでいる人が強い.」

 

Halo effectと呼ばれるものですね.

何か優れた能力を持っている人は、他の分野を優れていると感じてしまうことです.

また, Heuristicsも入っているでしょうね.

「プレイヤーの強さ」という非常に分かりにくい質問に対して,

「村の経験数」という非常に判断しやすい数値基準で判断しています.

 

実際, ある程度の村の経験数はプレイヤーとして大切だと思いますが, 

ある点を超えると全く関係なくなるというのが, 自分の印象ですね. 

 

○「奇策を行い、村を混乱させるのは人外」

○「自分と違う考え方をしているのは人外」

 

人間は, Coherence machineであるという, 元ネタの一文が思い出されます.

人間の脳は短時間低負荷で 強い相関関係を持つ事象を想起することには長けている. しかし、その事象の関連性が論理的に正当性をもつかどうかの確認をするには、時間がかかる...

「混乱」という負の状況を, 「人外」という負の存在と関連させているからだけで,

「奇策を行っているのは人外」と言っているにすぎません.人外/真役職としてのメリット/デメリットをきちんと理解した上で判断し, その奇策のデメリットを説明できないと, 印象論だけですね. 

 

自分の想定と違う進行のメリット/デメリットを考えずに, その進行を否定するのは、 「自分が慣れ親しんでいるプレイヤー/状況を好いて, 同陣営だと感じているだけです.」結局, 自分が慣れ親しんだものを選んでしまいがちなのが人間です. 

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原書を読むともっと面白い話がたくさんあるのですが,

全然伝えきれていません.  

この本は, 自分が人狼を実際にプレーするきっかけの1つとなった本でした.

「人間が人間を信頼する要素は何か?」これを知りたかったので。

 

本書は名作だと思っているのでおすすめします.

他にも, 人狼をやるなら, 心理学とか説得術「分かりやすい文章の書き方」などが参考になると思います. 人狼をプレーすることで, 現実世界に利用できるスキルを磨きましょうよ! 人狼の勝敗よりそっちの方が重要ですよね!

 

 

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